6月もあと10日を残すばかり
なんだか時間のすぎるのが
どんどん速くなっている気のする2021年です
今日は夏至
一年で一番昼が長く
太陽の力が強いと言われる日
欧米では
生きとし生けるものに
ぬくもりと希望を与えてくれる太陽に
感謝をささげるお祭りが
あちらこちらで開かれる日だそうです
私も今夜 20時頃から30分ほど
Facebook ライブで
夏至を祝う演奏をお届けしたいと思います
お時間ある方でFBがみられる方は
どうぞ 聴きにきてくださいね^^
(上手に録画できたら後日YouTubeにアップしますね)
さて 先週末の6/19 仙台で
郷土の歴史の掘り起こしや
若い世代に戦争の体験を伝える 戦争体験集の編集
そして 戦争体験の語り部活動を通して
長く宮城で平和教育を牽引してくださった
一人の先輩を偲ぶ会がありました
その人 和泉和歌子先生は
戦争の中で娘時代を過ごし
その後 中学校の社会科の先生をしながら
4人のこどもを育てたお母さんでした
教師を退職後も
個人で福祉ボランティアをされる一方で
戦争の記憶が風化し 美化されていく中
こどもたちに平和な未来を残すためには
自分たちが経験した戦争の現実を
伝えていくことが大切という思いから
退職した宮城の女性教職員の会
「白萩の会」の仲間に呼びかけ
メンバーそれぞれが綴った戦争体験を
一冊の本として出版する 中心になった
そんな先生でした
お会いすると小柄で
いつもみんなを眺めながら穏やかに笑っておられて
どこにそんなパワーがと思うのでしたが
かっこいいものでも
美しいものでもなかった 戦争の現実
食事はみんな少ない量の配給で
闇で家にあるものを売って食料にかえ
最後は米糠や道端の野草で家族が生き延びたこと
赤い服を着ただけで非国民と言われるような
相互監視の社会
父や兄弟 大切な家族が帰らぬ人となった仙台空襲
言葉に尽くせない辛苦を味わった満洲からの引き上げ
いったん戦争が始まれば
ひとりひとりが自分らしく
自由に生きることは許されず
なんでもない日々の暮らしの幸せも奪われてしまう
若い世代に再びそんな体験をさせてはならないという
先生の強い想いと呼びかけに
同じ思いを持つ白萩の会の仲間が
50回にものぼる編集会議を開き
助成金の取得などにも奔走して1年あまり
『おばあさんから孫たちへ』という
市井の人々の戦争体験を綴った
一冊の貴重な本ができあがったのでした
さらに後日
この本を読んだ
指揮者で音楽家の小林康浩さんが
これをぜひ歌にしましょうと
譜面を書いて組曲にしてくださり
その後 音楽劇をまじえた語り部活動へと
展開していくことになったのでした
「世界でいちばん砂糖が好き」なんて
砂糖を夢にまでみたこどものお話
「帰らぬ父や兄弟の話」
「引き上げの話」など
ほんとうに胸にしみるいろいろなお話があるのですが
今回はその本の中から一つの物語を選び
舞台経験もある先輩の朗読に
クリスタルボウルで音を入れ
先生に捧げる作品をつくらせていただきました
朗読の佐々木玲子さんと
お話は
太平洋戦争中のある日
舞台は 日本占領下の満洲
母や兄弟たちとみんなで畑仕事の最中
やってきた日本軍の兵士たちに
突然 トラックに放り込まれ
何の説明もないまま 日本に送られ
いくつかの鉱山や工場を経て
当時 多賀城にあった海軍の砲兵工場で
敗戦の日まで 食うや食わずで働かされていた
朝鮮人の若者 泰明の話
戦争中 日本各地の鉱山や工廠でおこっていた
朝鮮人 中国人 強制連行の話です
共演の玲子さんのこの日の朗読も素晴らしく
クリスタルボウル の響きで
内容がさらに深く心にしみたと感想をいただき
挑戦してよかったと思いました
学生の時
歴史の先生が
親や身近な経験者に
戦争の体験を聞かせてもらっておきなさい
とおっしゃいました
思い出したくないほどつらいことだった方もいるから
簡単には話してくれないかもしれないけれど
自分につながっている人から
直接に聴かせてもらう歴史は
ほんとうに特別で 貴重だからね と
「おばあさんから孫たちへ」と和泉先生の話は
8年前に出版した 亡き父の歌集にも 重なりました
そんな大変な思いの中を生き延びてきた親たちから
このいのちの時間をいただいているんだと思いました
この日の夜は
毎年リアルでお招きいただいていた
千葉の臨床心理研究所のみなさんへの
オンラインでの演奏とワークショップもありました
オンラインの設定はいまだ不慣れですが
このコロナの中
こころやからだの不調を抱えるこどもたちや
大人たちの話を聴き
日々 激務をこなされている心理職の皆さんから
ほっとできる時間
自分のための時間を過ごせたとお言葉をいただき
嬉しかったです
夏至の前後は
エネルギーが活発になり 過剰になるので
疲れや 感情の揺らぎを感じている方も
多いかもしれません
ぜひ からだを休めながら
春からここまでやってきたことを振り返ったり
これから秋分まで
体験したいことに思い馳せながら
ゆっくりすごしてくださいね
それではどうぞ
よい夏至の1日を
************************
『おばあさんから孫たちへ〜みやぎの戦争〜』
お求め お問い合わせは
退職女性教職員の会「宮城白萩の会」中央支部 へ
************************