翌日は
隣のユタ州との州境にまたがる赤土の渓谷
モニュメント・バレーに向かいました。
どうしてもここに行きたいというメンバーがいて
いろいろ下調べをしているうちに
私もこの場所にとても惹かれるものを感じ
日帰りではなく一泊の予定を組みました。
モニュメント・バレーはネイティブアメリカンのナヴァホ族の聖地で
ナヴァホの人々にとっては祈りのための場所だそうです。
広大な赤土の荒野に点在する巨大なビュート(土台の上に岩がそびえているもの)。
長い間の風雨にさらされて誕生したビュートは
まさしく古代の神聖な建築物のように思われました。
ナヴァホ族のDuffiyさんに
広大な赤土の聖地をジープで案内していただきました。
まだお若いDuffiyさんですが
運転しながら
落ち着いた穏やかな口ぶりで
いろいろな話を聞かせてくれました。
この神聖な土地と自分たちの祖先を大切にしていること
年長者とこども そして女性は宝物であること
大切な自分たちの文化や言葉を若者たちに伝えていること
異なる文化や伝統を持つ人々に自分たちから心を開いて語りかけ
相手の文化に関心を持ち
互いを尊重すること。
そして
それら大事なことはすべて
おばあさんから教わったということ...。
今もナヴァホ族では子どもだけでなく孫が
祖父母と一緒に住んで身の回りのお世話をすることが多いそうです。
そんな中で子どもはお年寄りから智慧と優しさを学んでいくのでしょう。
いろいろなビュートやメサをめぐったあと
90歳を超える機織りの名手
スージーおばあさんのホーガン(ナヴァホの人々の住居)に連れて行ってもらいました。
なれた手さばきで原毛を梳き 撚りをかけて毛糸につむいでいたスージーさんは
日本の昔のおばあちゃんとも通じる
なんだかおばあちゃんの原型のような方でした。
糸のすき方 撚り方 染料のことなど
やってみせ 語ってみせては ほら雑作ないだろうと笑いかける かわいらしいおばあちゃんでした。
左からDuffiyさん 絵里さん スージーさん
スージーさんが話す時には
一歩下がって見守っているDuffiyさん。
年長者への敬意を彼の姿とまなざしから感じました。
「人生はまばたきをするように 本当に短い。
だから ほんとうに 一瞬一瞬を味わって生きなくちゃね。
自分がしたいと思うことをし伝えたいと思うことを伝えなくちゃね。」
帰りの車の中でDuffiyさんがいった言葉が 心に残りました。
ネイティブアメリカンの人々の言葉は
なぜか人生の転機に
いつも突然どこからかあらわれ
その時の私を支え
勇気を持って飛ぶことを促してくれました。
「 あなたの歌を歌え
空を
見上げながら 」
口ずさむだけで
涙がこぼれそうになる
誇りと慈愛と励ましに満ちた言の葉
智慧ある人々のふるさとに来させていただいて
本当に嬉しい
ありがとうございますと何度も叫んでしまいました。
この日の様子を絵里さんがすてきなブログに書いてくれています。
ホーガンの中を埋め尽くす 光の存在たちが圧巻です。