音・旅・自然

夏至

今年の夏至は

母の三回忌を営みました。

夏至のサクランボ
 

彼岸(ひがん)をあちらの世界
此岸(しがん)をこちらの世界とするならば

法要は
彼岸に渡ったひとたちが わざわざこしらえてくれた
此岸に残るものたちの
再会の場かもしれません。

多くは母と同じかそれよりだいぶ上の
伯父伯母 叔父叔母

私ももう今度は会えるかどうかわからないからねといいながら
今語っておかなければとでもいうように
自分の人生の若かりし日の話
戦争や空襲の子ども時代 焼け跡の風景
就職と結婚 仕事と子育てを語ってきかせてくれました

父や母の人生のそばにいたひとびとの
父母とはまた違った人生の物語

地模様のように浮かび上がるそれぞれの「時代」と
自分に連なる縦の糸があるのを感じました。

自分はこの親族の織物の中で
どんな模様を描いているのだろう

そんなことを考えました。

それにしても

時間が経てば経つほど
なくなったひとがかけてくれた愛情や
してくれたことを思い出すのは
何故なのでしょう。

生身のお互いが顔を合わせると
感情が邪魔をして素直になれなかったのかもしれません。

生前は両親への葛藤を感じ
ぶつかることも多かった私ですが
今はしていただいたことが次々に思い出され
その度に感謝と敬意でいっぱいになっています。

一生懸命育ててくれて
ほんとうにありがとう。

昼間が一番長い日

自分に連なる人々と
亡き母を偲んだ
今年の夏至でした。

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