参加企画

ホリスティックな暮らしと医療の実現に向けて 〜2014 ホリ協 仙台シンポジウム その2

さて 二日目の講演の後は
『ホリスティックな暮らしと医療を実現するために』と題して
福島・裏磐梯でリトリートルーム「Earth Spiral 」を拠点に活動する
安珠さんと朴澤先生との対談がありました。

新緑3

対談に先立って
安珠さんからご自身の歩みと現在の活動の紹介がありました。

安珠さんは福島生まれですが
東京に出てアロマテラピスト ボディーワーカーとしてセラピールームを開設
その後 精神科や心療内科でもアロマテラピーを提供するようになり
そのうち赤坂溜池クリニックで代替療法家たちとチーム医療にかかわるようになりました。

2006年頃からはホリスティックな暮らしをめざしパーマカルチャーを学ぶようになり
持続可能なコミュニティづくりや
暮らしの中でのセルフケア意識の向上などのWSを
開催する活動も始めました。

2009年に磐梯山に呼ばれて裏磐梯に移住
念願だった自然と共生する暮らしを
福島ではじめました。

やっと落ち着いたと思った2011年
東日本大震災が起こり暗闇に放り込まれたような一年を過ごしたそうです。

持続可能な暮らしを考える友人たちが関西以西に移住する中
考えた末に安珠さんは結局裏磐梯に生きることを選びますが
今ではそれは自分の魂の選択だったと感じられるそうです。

震災は「私たちはどう生きるか?という魂の声に触れる機会だった」という安珠さんのお話は
私も同じ気持ちがしました。

今 安珠さんは裏磐梯で
パーマカルチャーの学びや自然と触れ合うWS
また コピットハウスというセルフビルドのスペースで
語り合いやプロセスワークという心理療法の場をオーガナイズしています。

詳細はこちらです。
Earth Spiral

さていよいよ対談報告です♪

「311後に感じる変化」ということで
安珠さんからは「自分の身は自分で守る」という意識が生まれたこと
若いお母さんたちの間に社会問題への関心の高まりや生活の見直しが起こっている
というお話がありました。

私も全く同感で
宮城の私の周辺でも同じように感じますし
去年の選挙でも
野外演説会や投票所に
若者や赤ちゃんを背負い子どもの手を引いたお父さんお母さんの姿を
たくさん見かけました。

自分の身は自分で守る

震災直後 あれほど身にしみたことですが
時間が経つと慣れてしまい
あの時の気づきをしまい込んでしまっている自分に気づきもしました。

朴澤先生からは
震災直後から現場でケアにあたってきた人たちが
1年後 2年後 そして今
すり切れ茫然自失している状況があるというお話がでました。

一昨年の3月 教職に就いている学生時代の仲間たちと会った時に
この頃 何でもない時に涙がこぼれてくるんだ という話を聞きました。

震災直後 教室のこどもたちを
ひとりも欠けることなく全員無事に守らなければと思い
あとで思ったら不思議なほど冷静沈着に
こどもたちを安心させながら
ひとつひとつてきぱきと指示し
全員を無事に避難させた自分がいたそうです

学校は神社や役場などと並んで
大抵避難所になったので
先生方はそれから何日も 時には何週間も
自宅に帰れないままやってくる人々の救護やお世話をし
行政が入ってからも
当時の学年のこどもたちや家族の安否確認
そして新年度の準備と
走り続けてその後の一年 二年 三年を過ごしています。

昨年の夏と秋
南三陸町の事務の先生方 保健室の先生方の研修会に呼んでいただいた時にも
今まで聴く一方でしたが
今年になって初めて自分の話をしました
今年初めて話していて泣きましたというお話を伺いました。

ケアする仕事に従事している方たちが
擦り切れる前に
ほっとできる場
充電できる時間が必要だと
改めて思いました。

安珠さんからは 裏磐梯で震災後始めているような
自分の心とからだのセルフケアができる場所
自分のマイナスの部分や見たくない部分も語れるような場所を
いっぱい創りたいというお話があり
朴澤先生からも「未病(みびょう)」という意味で
そのようなセルフケアの場所の大切さが語られていました。

ほんとにそんな場所がいっぱいあったらいいですよね!

またお二人から
細かく自分の状態を見る習慣を持つことの大切さと
自分を見るための自分に合った入り口を持つことが役立つ
というお話も出ていました。

最後は世界の代替医療の現状や
チーム医療のお話になりました。

一人で背負い込むとドグマに陥りやすいし
孤独になる
患者さんのためにも自分自身のためにも
治療者 施術者が支え合うネットワークが役に立つというお話に
なるほどと思いました。

とても充実した
刺激に富んだ対談でした^^

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